統合失調症から立ち直った話と、どうして統合失調症になってしまったかの考察

(注:以前はGoogleSiteでブログみたいなもの書いてましたが、ネガティブ成分のゴミが増えた上に使い勝手が余りよくなかったので、そちらは捨てることにしました。AlphaGoの記事とかはもしかしたら今でも読みたい人いるのかもしれませんがご容赦ください。データとしてはまだ残っているので、またどこかで再公開できればいいなと思っています。)

私は修士1年の時から10年以上精神科のお世話になっています。病名をはっきり告げられたのは治療を開始してからだいぶ経った頃ですが、統合失調症だったのです。大学の端末室などで奇声を上げることが増えて、同級生に大学保健センターの精神科に連れて行かれました。

実は、丁度今から一年前くらいに病院を変えて、新しい先生の治療により、もう苦しさはほとんど無くなっています。健常者並と言っても差し支えないかもしれません。

新しい先生によると、以前の先生の治療は「時代遅れのダメな治療法」だったらしいのです。主な症状である幻聴は以前の先生の処方でも減っていたのですが、完全には無くなっていませんでした。さらに前職では慢性的な眠気が消えず、勤務状況は本当に酷かったのです。以前の先生は「それは仕方のない症状だ」とおっしゃっていました。アカシジアという向精神薬の副作用についても「気にする必要はない」とのことでした。しかし、新しい先生からは、「あなたは睡眠の質が悪すぎる。幻聴とアカシジアのせいで熟睡できていない。そもそもアカシジアを放置しておくと自殺の危険も高まる。」などの説明を受けました。その日新しく処方された薬を飲んで眠ったところ、翌朝「あ、これはいつもと違う!熟睡できたんだ!」ということが分かり、それ以来新しい先生による治療を続けています。

それから、「朝型」の生活スタイルに変えたり、コンビニ弁当はなるべく避けて野菜も摂れるちょっと高い食事にしたり、ダイエットを兼ねた筋トレを生活に入れたり、毎日の個人的なTODOをツールを使って管理して時間と精神力の無駄を削ったりなどしました。いわゆる世間一般で言われている「良い生活習慣」と言えそうなものを取り入れていったということです。今では朝5:00にばっちり起きて勉強、読書、囲碁などをしてから早めに出社する生活です。野菜を取るとイライラが減少することもわかりました。以前より6~7kg痩せました(まだ標準体重よりは太ってますが)。TODO管理ソフトにより、以前よりは時間をうまく使えていると思います。

そして、病状が良くなっていくにつれ、「ここまで気分がすっきりしたのは何年ぶりかなあ…。あれ、そもそも私はいったいいつから幻聴があったのかな?」ということを考えるようになりました。新しい先生によると私はADHD(発達障害)の可能性が高いらしいですし、色々ネットで検索するとADHDの二次障害として統合失調症になることは珍しくないようでしたが、「私のこの病状も本当に先天的な理由だけなのか?」と考えたのです。そして出た結論は「中学の後半から高校卒業まで毎日10時間くらい勉強していた時に症状が出始め、大学の専門課程で連日端末室に泊まり込んで課題に忙殺されていた時にひどく悪化した。要するに勉強しすぎ(させられすぎ)だった。」というものでした。

私は小中高と塾や学校のテストで(数百人~数千人中)一番を取っていました。ただ、中学の前半までは最低限の勉強だけでしたが、たまに一番になれなかった時に友人たちに煽られるのに過剰反応してしまい、中学後半から毎日10時間くらい勉強しだしたのです。でもそれは、私のように体力のない人間がやるべきことではなかったと今では分かります。長時間勉強→疲労が抜けない→効率落ちる→長時間勉強…のような感じになってしまっていたのでしょう。テストで一番を取れる確率をわずかに上げることにこだわりすぎたために、だんだんおかしくなったのです。中学の友人で今でも付き合いのある人に最近「俺は中学の後半から長時間勉強でおかしくなったのかもしれない。」と考えを明かした所、「確かにお前はその頃から何かおかしかった。」と言われました。そんな効率の悪い人間の癖に、高校、大学と有名校に進学してどんどん忙しさが増していき、統合失調症が悪化してしまったのです。でも、途中で気づくべきだったのです。「同じ学科の人たちは同じ課題をやっているけど、私みたいに死にそうになっていない。むしろ優秀な人は余裕があった。」ということに。私は東大入ってから「周りの奴らは頭良いし要領いいなあ。」と思っていましたが、本来彼らこそがあるべき姿だったのでしょう。私は悪循環が続くうちにいつの間にか長時間勉強そのものが目的になってしまい、どんどん悪化したのだと思います。

とは言え、最初に書いたように今はもう健常者並の生活を遅れてます。一時期は本業のプログラミングもボロボロだったのですが、今の会社の優秀な同僚達の真似をして色々改善できていると思います。今ならわかるのですが、プログラマは「楽をするための努力」をするべきなのです。大学の課題が終わらないなら、どうして終わらないのか考えて、分からなかったら優秀な同級生たちにやり方を聞いて真似してみるなどするべきだったのでしょう。

私は今、平日も休日も毎日がとても楽しいです。しかし、統合失調症の症状が出始めてから今の状態まで回復するのに20年くらいかかりました。友人を失ったこともありました。私と同じように苦しんでいる人がいたら、同じ過ちを繰り返して欲しくないと思い、この記事を書きました。